難関の歯科医師国家試験に合格されたこと、本当におめでとうございます。

もしかしたら、回り道をしたり、途中で辞めそうになった先生もおられると思います。

先生の喜びだけではなく、御家族、御両親の安堵感もよくわかります。

勤務医の後は、開業を考える時期ですね。

開業について書いていきます。

(長文です。全部読むと30分ほどです)

 

Dr.河内

少しだけ私の当時のお話しにお付き合いください

私の歯学部時代(2000年第93回の国家試験)、奥羽大学の国家試験の漏洩問題が突然前日にマスコミにリークされ、

合格率は90%が普通の時代に、突然69%になってしまう事件がありました。

国試の前日にテレビのお昼のワイドショーに、流れていました。

私も思わずテレビに釘付けになりました。

もう試験前なのに、全然集中できない。

実際に当日の試験はとっても難しく、「ヤバイ!」と思いました。

それでも前年の合格率は90%を超えていたので、「なんとか受かるだろう」と甘く考えていました。

大学でも低空飛行ながら、6年で卒業したということが甘さにつながった原因です。

当時、試験が終わった同級生の妻に「何点とれた?」と聞いていました。

「オレ、ギリギリ大丈夫だと思う」とか言って余裕な感じでした。

合格発表の日に、管轄の東海北陸厚生局に見にいったら、

なんと「合格者のところに自分の名前がない」のです。

合格すると思って友人と見にいったら、友人の名前はあるけど、

自分の名前はないという現実。

恥ずかしいし、情けないし・・・。

当時の私がいた大学6年生の国試の合格判断基準では

「卒試が通れば国試は何とかなるでしょ」

というそんな雰囲気でした。

大学の先生方も大方同じ考え方です。

今では絶対ありえないですが、私の時の卒試は全員合格でした、留年生も全員卒業です。

そんな時代背景だったのです。

次の年に、合格したあとで妻が私に

「黙っていたけど、その点数だと落ちるかもと思っていた」

と教えてくれました。

6年の時の私に忠告してくれよ(涙)

国試に落ちた夢は、5年くらいは見たかな(笑)

今は本当に歯医者になれて良かったですし、とても素晴らしい仕事なので、

周りから必要とされるかぎり、生涯続けていきたいです。

話を戻しますね

合格した先生はとても優秀で、また根性もあると思います。歯科大学受験の頃に、「歯医者はもうからないよ」とか「開業しても厳しいよ」など、とにかく周りからマイナスなことを言われ続けてきたと思います。そんな中で「歯科医師」になることを選択されたこと、素晴らしいと思います。

強い思いを持って歯科医師になられた先生に敬意を表します

さて国試も晴れて合格し、歯科医師になり、研修医を開始されます。

夢を描いた歯科医師生活のスタートです。

「口腔外科」、「矯正歯科」「小児歯科」「保存修復科」「歯周病科」選択肢が複数あり、どの科に進むか将来を思い描く時期です。研修は大変だけど、仕事の出来る2個上の先輩をみて憧れたりして、それなりに充実した毎日で、そして社会人1年目があっという間に過ぎていきます。

 

一方で、このような現実を目の当たりにしていませんか?

 

「全然患者さんをみさせてもらえない」

「歯医者になったけど、私全然できない」と思ったり

「このままじゃ、これからの人生設計がみえない」と感じたりしませんか?

 

研修先やバイト先で2、3年上の先輩を見て

「あれくらいしかやらせてもらえないの?」とか

「卒業3年で、まだあのレベル?」など

不安になることがありませんか?

 

「このままじゃ歯医者として自立できないよ」

「生活していけない」とか

「婚期が遅れる~」など

同級生が「もうこんなに仕事してんだぜー」と自慢げに話してきてウザいなど

人それぞれ悩みはあると思います。

そしてこの時期の先生方は一番悩みが深いのだと思います。

方向性が定まらなかったり、将来が見えなくて、不安だと思います。

人生の岐路に立っているといっても過言ではありません。

どの先生にも共通した悩みは

それは

「歯医者としてメシが食えるのか!」

ということです。実際に私が当時その心境でした。何も満足に治療できない。カルテすら書けないし、レセコン入力もできないし、この先歯科医師としてやっていけるか不安で仕方ありませんでした。でもせっかくがんばって取った資格だし、家は裕福じゃないし、親にも心配かけられないし、そんな想いの毎日でした。

最初の3年間ぐらいは、毎日9時~21時過ぎまで働いて仕事を覚えました。若かったので、

たまに週1回休みがあれば何とかなりました(笑)

休みの日は講習会にいくか、またはひたすら寝てましたが・・・。

最初は仕事ができないと、やはり勤務先のスタッフさんが先生の事を認めてくれないかもしれません。新米で仕事が出来ないなら、それなりに診療に臨む態度で見せないと、職場では浮いてしまうかもしれません。

勤務医院のスタッフさんからしたら、先生は25歳の社会人1年目なのです。

オールドルーキーは扱いにくい人なんです(笑)

勤務している医院のスタッフさんからは、

「仕事できないのに、偉そうにして。」とか

「良い給料貰っているのに、このレベル?」と思われるかもしれません。

そう考えると、やっぱり周りのスタッフを認めさせるくらい、がむしゃらにがんばる姿勢が3年間ぐらいは必要なのかもしれません。

「オレ、ドクターだし」というスタンスだと、間違いなく浮きます(笑)

振り返ると、私も職場で浮いていたのかもしれません。

当時勤務していたスタッフの人たちと会う機会がありますが、

何となく聞けないです(笑)

職場で人間関係を円滑にさせるには、先生の持ち合わせる「謙虚さ」も必要です。

私の周りの勤務医を採用されている先生方からは、

「若い勤務医の先生が勤務スタッフとなかなか馴染めない」という

声を多く聞きます。

(当医院の勤務する先生はそのようなことはありません)

若い先生にお伝えしたいことは

出来るだけ1人の患者さんを継続して診ていけると、自分の治療後の経過が見られて良いと思います。

例えば

 

診断→印象→BT→TF→義歯装着→義歯調整

診断→抜髄→根治→根充→コア印象→コアSET・形成・印象→SET

 

これをすべて自分で継続して治療に入ると

見る目が養われ、余分なことをしなくなり、必要な治療を最短で行うようになり、結果として腕が上がっていきます。

途中だけ数回入るのと、最初から最後まで自分で治療するのでは、

上達の進度が格段に違います。

勤務先の院長先生は、治療の勘所を「教えたい、伝えたい」と思っています。(少なくとも私はそうしてます)

一通りの治療が出来るようになるまでは、アルバイトで複数の医院を掛け持ちをするのはあまりそのような観点からはおススメしません。担当制にしてくれる医院や、きちんと教えてくれる先生がいる医院の就職先を探されると良いと思います。

 

それとできれば

Drの育成マニュアルやプログラムがある歯科医院が良いと思います。

きちんと育ててくれる風土のある医院をお勧めします。

年齢の近い先輩や同僚がいると心強いですね。

私も勤務医して頂いている先生と相談して、育成のマニュアルを随時作成し、更新しています。

3年でここまでできるようになりたいという目標があると、不安が解消されると思います。

治療の様子

将来の先生方の選択肢

この3つにわかれます

➀研究者志向の先生

②開業志向の先生

③勤務医志向の先生

 

➀研究者志向の先生

医局に残る、関連病院で働くという選択肢になります。残念ながら、大学病院の経営も苦しく、年々大学医局の有給のポストは少なくなっています。

私の6年間同級生の友人は、大学の口腔外科に残ることを選択しました。東北地方の田舎で実家は開業医。長男だから、帰って継ぐことを期待されていたのに、帰らず名古屋で住まいを構えています。

なぜ友人は実家を継がなかったのか?

彼自身が開業は向いていないことを、理解していたからです。口腔外科1本で生きていくと決め、現在第一線で働いています。

私は彼が進んだ道は正解だったと思います。

ちなみに、私の人物評価は

「真面目で頭は良いが、人付き合いは悪く、たまに出来の悪い人をバカにする嫌なところがある性格なので、おおよそ開業にはむいていない」です。(ヒドイ評価だなー)

あまり開業には向いていなく、病院勤務の方が彼の性格的に向いている

ことになります。

②と③についてまとめてみます

②開業志向の先生

開業志向でも大きくわけて2つあります

親の医院を承継する予定と新規で医院開業する予定です。

親と一緒の医院でやる場合は、たくさんの難しさがあります。

しかも問題は、中に入ってみないとわからないことが多いのです。

これが一番のデメリットと思います。(経験者は語る)

メリットは、複数Drなので、講習会参加がしやすいです。

また売り上げの心配を新規開業よりはしなくても良いです。

私自身は、義父からの承継になったので、親子よりも一段と難しさがありました。

新規開業の方が0からのスタートなので、やりやすい面はあります。

新規院長の最大の悩みは、常に「お金と人事」が頭から離れないことです。

「患者さんが来なくなったらどうしよう」とか「スタッフが辞めたらどうしよう」

とかの心配は私を含め、経営者全員の悩みでしょう。

今もこれからも採用・人事のことは開業医を続けていく限り

悩みは終わりません。

ここで、私とFACEBOOKで友達である渥美ともひろさんの紹介をします。彼のコンサルティングを受けているわけではありませんが、彼の仕事の考え方に共感しており、彼から教材を購入して学んでいます。

みなさんにぜひ見てもらいたいので、ここにシェアをします。

(FACEBOOKのシェアの許可を頂いています)

歯科医院が最短距離でマネジメントを仕組化するブログ (ameblo.jp)

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渥美ともひろ 2019年7月23日 FACEBOOKより

【13年前から密かに感じていた、歯科のぶっちゃけ話】

さて、今回の話、ちょっと長いです(^_^;)

突然ですが、『年商1億円超の歯科医院は、全体のTOP3~5%』という話を聞いたことがあるでしょうか?

私自身、これまで何度か耳にしたことがあり、最近では、歯科専門税理士の山下剛さんが、著書『年商1億円医院の設計図』でも、このテーマに言及されていましたね。
ただ、10年前から同じことが言われているので、現在でも本当にそうなのか?ふと疑問に思い、先日、私なりに可能な範囲で調べてみました。

日本歯科医師会と日本歯科総合研究機構がまとめた『歯科医業経営実態調査』(2019年3月版)によると、
医業収入1億円を超える歯科診療所は、個人事業所で約3%、とあります。これが法人が対象だと約34%まで上昇するのですが、個人と法人では対象となる母数が違います。

「ではトータルではどうなのか?」

が気になり、この調査結果を、全国の歯科医院数68,616件(厚生労働省2018年度調査)における個人事業所と法人事業所の割合で案分すると、
診療所全体に占める1億円超の医院は、9.5%になりました。

※ちなみに2015年度の医院数(68,756件)で、
同じくると8.8%。つまり、ここ3年で
1億円超の医院の割合は増えていると言えます。

と、まぁ細かい話はこのくらいにして、、

ここで私が言いたいのは、「5%じゃないじゃん!」などと、数%の誤差を指摘したいのではありません。

13年前、サラリーマンから独立した私が歯科に関わり始めた当初、大変失礼ながらこんな疑問を思っていました。

「年商1億円が上位5%を占める業界って、正直、しょぼくない・・・?」

と…(^_^;)

もちろん、売上だけで業界の魅力は量れないし、業種により粗利率や利益率も大きく異なる。よって単純に比較できないのは言うまでもありませんが、

前職の自動車リース会社では、営業として様々な業種・規模の企業に出入りました。そこでは零細と言われる先でも、年商1~3億くらいはありましたから。

その後、“郷に入れば郷に従え”の精神で歯科業界に携わる中で、診療現場の現実を知り、また歯科業界の魅力や可能性を実感する機会も増え、「ショボい」なんて思いは自然と消えていったのでした。

が、最近、異業種の友人や知人と話をしたり、

自分が歯科業界で何に貢献できるのか?
自分が得意なこと、自分にしかできないことは何か?

など考える機会が増える中で、

客観的な視点で歯科業界を見たとき、業界内部の人が言うほど魅力的に映っているのか? 疑問を抱くようになってきました。

では、業界の魅力とは、一体何なのでしょうか?

ちょうど先日、同じく異業種から歯科へ参入したユメオカ代表の丹羽氏ともその話となり、お互いに一致したのが、

“魅力ある業界”を突き詰めて考えると、『人が呼び込めるかどうか』に尽きる、と。

また、そのためには4つの要素が不可欠だと。

その4つとは、
1.やりがいが感じられる
2.発展性(社会のニーズ)がある
3.永続性がある
4.収入が高い(頑張りに見合った報酬)
です。

1、2、3の要素については、歯科業界に関与している人は実感として確信している人も少なくないでしょう。
※それでも悲観的な人もまだまだいますが・・・

一方、4つ目の要素についてはどうでしょうか?
最近、新卒社員向けの報酬としてくら寿司が1,000万円、ソニーが750万円を(能力が認められた人が対象ですが)を提示した、と言うニュースが話題になりましたが、
優秀な人材を引き寄せる一つの大きな材料として、収入(報酬)があることは疑いもない事実です。

そして、これは経営規模や基盤がない職場(企業・医院)には決してできないことでもあります。

そう考えたとき、歯科業界はどうなのか?

そこで、前述の『歯科医業経営実態調査』をもう少し調べてみました。
同資料によると個人経営の歯科医院の売上は平均値で4,000~4,500万円。
ただ、これはあくまで全体平均であって、最頻値(医院件数で最も多い層)はこれより1,000万円も下がり、3,000~3,500万円の層で全体の約9%です。

これが法人となると平均売上は一気に上昇し1億~1億1,000万円となりますが、同じく最頻値をみると4,000~4,500万円まで下がります。(全体の約10%)

仮に、売上幅の中間(例えば3,000~3,500であれば3,250という具合に)で数字を確定し、全国の個人医院と法人医院の比率で案分すると、

個人・法人を併せた平均売上が約5,300万円、
個人・法人を併せた最頻値は約3,500万円、でした。

そしてこの数値を基準に、ちょうど手元に中小企業庁が毎年発刊する『中小企業の原価指標』(少し古いですが)があったので、類似する業種を調べてみました。
サービス業(同資料の中小企業サービス業の定義は資本金5,000万円、従業員100人以下)の中で、比較できそうな業種の平均売上を調査。

すると、多くのサービス業が歯科の平均売上を上回りました。

売上が近い業種としては、全国に21万件あると言われる美容院が業界平均値、売上約5,320万円 従業員10名

他、中華料理店が売上約4,430万円 従業員8名、
寿司店が売上約4,030万円 従業員4名

この3業種に絞られました。

また、それより売上額が下の業種は

そばうどん店:売上約2,520万円 従業員5名
喫茶店:売上約1,720万円 従業員2名
理容業:売上約1,385万円 従業員3名
といった感じでしたが、寿司店にはスシローやくら寿司などの大手は含まれませんし、そばうどん店には丸亀製麺や山田うどん、富士そばも除外です。
※資本金5,000万円以下、従業員100人以下という
条件下での平均値なので。

喫茶店も、スターバックスやタリーズ、コメダ珈琲などは含まれていませんから、これらを含めるとあっという間に平均値は歯科業界を超えてくるでしょう。

重ねて言いますが、売上が全てというつもりはないし、業種によって粗利も違うので単純比較もできません。
それは経営コンサルタントの端くれとして、充分承知の上です。

でも、年商1億円でもうTOP10%に入り、業界の最頻値の売上が3,500万円程度の業界が、果たして優秀な人材を呼込める業界と言えるのか?

雑誌プレジデント(2019年3月18日号)で『歯医者のウラ側』と題した歯科特集がありましたが、そこで紹介された平均年収は、歯科医師が757万円、歯科衛生士が346万円、歯科助手(介護補助者)は292万円でした。

これは私の13年間のコンサル現場の経験上、非常に的を得た数字だと思います。

年収346万円って、夢や希望が持てますかね?

そもそも、年商3,500万円程度の医院では歯科衛生士の活躍の場ってどんだけあるのか懐疑的だし、勤務医を雇う余裕も活躍の場もないと思います。

ましてや、歯科は飲食店などと違って、歯科医師や歯科衛生士など国家資格が必要で、それには数年間の期間を経なければなりません。

そんな苦労をして、3,500万円、4,000万円程度の医院に勤務したとして、果たして一生安心・安全に働き続けられる職場だと思えるでしょうか? 無理ですよ。

実際、売上1億円を超えた医院の院長に聞くと良く分かります。

私のクライアント先では過半数の医院が年商1億円を超えしていますが、どの院長も(少なくとも売上規模で)「成功したぜ!」「もう安心」なんて思っていません。

むしろ、
社会が求める安心して働ける環境整備、社保完備は当然として(これさえ未加入の医院がどれだけ多いことか・・・)、
有給が取り易い、長く働きたいと思える退職金制度や住宅手当、また、女性が多いの職場として、出産や子育てを支援する仕組み。

そして、外部講師の招聘や外部セミナー参加などスキルアップができる環境を整えたり、
医療機関として滅菌衛生面を充実させたり、時代のニーズに応えるべく最新の医療設備の導入。

更には、通院できなくなった患者さんへの訪問診療の体制づくりなど、地域から長期で信頼される医療機関の実現を考えていたら、

年商1億円ではとても足りない、のが現状です。
ましてや年商3,500万、4,500万円前後の医院が多数を占めるような状況で、業界としてどれほど魅力が出せるのでしょうか。
さらに少子高齢化で業界間で人材の取り合いが勃発している状況下で、はたして歯科に優秀な人材は呼び込めるのか?

非常に危機感を覚えるのです。

ついでにもう少し踏み込んで話をすると、
私は開業予定の勤務医さんと話をする機会も多いのですが、ハッキリ言って開業ビジョンが描けていない人が多すぎます。

これだけ厳しい世の中と言われているのに、開業プランを聞いてみると、頼りないことこの上ない・・・
あくまで私が接したドクターに限った話ですが、事業計画書をまとめ中のドクターはゼロ。

理念やビジョンはおろか、収支予測もせず勤務先の院長に経営面で質問をしている様子もない。

「今、業者に開業のための土地を探してもらってます」

そんな勤務医さんに、

「今、〇〇先生は月に何万点くらい診療上げてます?」

と尋ねてみると、

「いや、よく分かりません」って、、、

おいっ!!

土地を探す前に、もっと考えることや準備すべきことがあるやろ!!(と、なぜか関西弁(^_^;))

別の医院では、院長先生が

「あの技術だと正直、開業後に苦労しますよ。でも、
私からあれこれ言っても引き留め工作と思われ、
聞く耳持たなくて・・・
結局、実際に開業して院長になって痛い目に遭わないと
分からない、のでしょうね・・・」

と。

この院長、闇雲に開業反対するのではなく、同じ歯科医師として本当に勤務医さんの将来を考えている先生です。

もはや勢いで開業し、診療しながら何とか軌道修正する時代は終わってますよ。

もちろん開業する・しないは個人の自由です。
当然、しっかり考えて開業される方もいると思います。

でも、業界全体のことを考えると、中途半端な気持ちで開業し「こんなはずじゃなかった」では、そこで働くスタッフや、通っている患者さんにも失礼な話。

その結果、最頻層の3,500万円程度の医院ばかりが増えるなら
業界全体としても全く発展しているとは言えず(機器や材料メーカーの売上は上がるかもしれませんが)、

むしろ、充分な労働環境や待遇が満たせない職場が増えることで歯科に失望し、去っていく人が増えるなら、マイナスでしかありません。

実際、そのような話はよく耳にしますし、国家資格である
歯科衛生士の現場離職率の高さもそれを物語っています。

だったら、勤務医は勤務先の院長と協力してその医院を発展させ、正々堂々と対価を受け取る。
そして院長も勤務医本人の望む未来を共有し、共にビジョンを描き、医院を成長させることで共存していく方向に注力するのが良いと思います。
※もちろん、個別のケースでは勤務医目線で尊敬できない
院長がいることも、院長目線で仕事を舐めているような
勤務医がいることも分かります。ここでは総論です。

マネジメントに長けた、または関心がある院長が自院の環境をどんどん良くし、そこに安心して臨床を追求したい歯科医師が働ける。

そうすることで業界全体として経営資源の最適化、適材適所へ配置する方向へ促していくべきじゃないか。

そう強く思うのです。

正直、ここ13年の活動を通じてそんな思いを抱きつつも、これまでは

「自分は医療従事者ではないし」

「頑張っている院長やスタッフも沢山いるし」

「他人の人生プランに口を出すのは失礼は話」

と遠慮し、発信を控えていた面があります。
(私、根が小心者なので・・・)

でも、本気で歯科業界の発展を考えた時、極論を言えば、1医院当たりの平均年商が今の倍ほど引き上がっていかなければ、充分な労働環境も診療環境も整備できず、結果として魅力ある業界にはならない。

そう確信しました。

人は、「どこに目標設定するか?」で日々の言動が変わってきます。
例えば、生活に困らない程度の収入を得ることを目標にする院長と、
地域に住む5万人の健康に関与する医院を作ることを目標にする院長とでは、日々の言動が違うはずです。

日々の積み重ねで未来が決まるので、当然ながら未来の状況も変わってくるでしょう。
年商1億円がTOP5%、という基準では、仮に8,000万円に達したら「そこそこ成功だな」と満足してしまう院長もいるかもしれません。
でも、しつこいですが、患者さんや地域、そして働くスタッフの満足度を満たしつつ永続的に医院が発展していくためには、年商1億円は成功どころか、むしろスタート地点と言えるのです。

と、言いたい放題述べましたが、そんな中で、私自身がどんな貢献ができるのか?私にしかできない貢献の仕方って何なのか?

数ヶ月ずっと自問自答していました。

私が出した結論については、
『業界のスタンダード(基準)を引き上げる』こと。

今回あまりにも文章が長くなり過ぎてしまいましたので、具体的なことは別の機会でお伝えしたいと思います。

 

渥美ともひろ 2019年7月31日 FACEBOOKより

【歯科のぶっちゃけ話 パート2】

前回に続き、今回の話もちょっと長いです(^_^;)

さて、私が歯科業界に携わる中でビックリしたことのもう1つが、歯科は“非常に細分化された世界”だと言うことでした。

歯科業界に携わる前の私は、医科も歯科も「病院(医療)」とひとくくりに考えていて、眼科、内科、耳鼻科、皮膚科、それらの1つとして歯科があるという程度の認識。

医師も歯科医師も、私の中では同じ“ドクター”でした。
(当然、医科と歯科の間の隔たりなど全く知りませんでした…)

また、口の中については歯科が専門領域なわけだから、歯科医師であればお口の病気やトラブルには(よほど特殊なものは除き)誰でも同じように対処できるものだと思っていたので、

独立したての頃、ある矯正医から
「私は矯正専門なのでむし歯は治せないんですよ」
とさらっと言われたときには、
「えっ?6年も大学に通い国家資格を得て歯科医師になり、そこから10年も経つのにむし歯が治せないって、平然と言える話なの? 恥ずかしくないの?」

などと思ってしまいましたσ^_^;

※その後、業界に関わる中で様々な立場の関係者から色んな話を伺うにつれ、「そういうもんなんだー」と理解できます。
業界に染まってきた、のでしょうかね。

更に驚いたのが、同じ歯科医師(院長)という立場にもかかわらず、ある分野(例えばインプラントや矯正、根幹治療など)の専門性を追求した歯科医師(院長)と、

一般歯科や予防に注力している歯科医師(院長)との間に、相容れない?壁が存在していることでした。

ここでは分かり易くするため、前者をスペシャリスト院長、後者をジェネラリスト院長と呼ぶことにしますが、

スペシャリスト院長は、ジェネラリスト院長のことを、
「腕に自信がないから予防に逃げている」と見下していたり、経営規模が大きい院長に対して「金儲けに走った」など拝金主義のレッテルを張り訝しげにしている。

逆に、ジェネラリスト院長は、スペシャリスト院長の専門性は認めつつも、「偉そうなことを言っているが、自院は資金繰りやスタッフ問題で苦労してる」  「診療だけでは充分食べて行けず、同業者への指導料で生活費を賄っている」などと、冷めて見ている節がある。

といった具合です。

もちろん全ての歯科医師に当てはまる訳ではありませんが、かつてのクライアント先や、特に私と同じ40代から歳上の院長先生たちから、似たような話をよく耳にしました。

その度に、「同じ歯科医師なんだからお互いもっと仲良くすればいいのになー」なんて思いますし、ちっぽけなプライドのぶつけ合いは業界全体で見たときに損失以外の何物でも
ないな、と今でも思いますが。(もちろん院長達の事情も分からなくもないです)

さて、私は13年前から歯科医院の経営をサポートしていますが、初期の頃と比べると今は明らかに時代の追い風を感じます。

具体例を挙げると、
過去にはなかった、糖尿病専門医の西田亙医師や、認知症専門医の長谷川嘉哉医師など、医師の側から積極的に口腔ケアの重要性を世間に発信する人が出てきたり、

内閣府が2018年に発表した『骨太の方針』の55ページに“口腔ケアが国民の健康に不可欠だ”との文言が載り(保険診療にSPT2が追加されたのもこの流れを受けたものだと私は理解しています)、

一般企業でも、従業員の健康増進の一環として歯科医院でのメンテナンス受診に補助金を出す企業が現れたり、

などです。

経営の発展性や持続性を考えたとき、時代の流れを読みそこに乗ることは大事ですよね。

それは、前のメルマガでも述べた“魅力ある業界”の実現に必要な4つの要素、

1.やりがいが感じられる
2.発展性(社会のニーズ)がある
3.永続性がある
4.収入が高い(頑張りに見合った報酬)

で言うところの2.にも合致します。

ただ、ここで私が言いたいのは単に流行に乗ろうということではありません。

前回のメルマガで“業界の基準を引き上げる”、つまり業界の平均年商を引上げ、1億円の医院がスタンダードとなる必要があるとお伝えしましたが、

私はそこに到達する最も有効な方法が、予防管理型の歯科医院を目指すこと、だと考えます。

ただ、院長先生の中には

「医院規模は追いたくない、小さくても
目の前の患者さんと関われるだけで幸せ」

「自分は予防には興味がない、臨床家として
治療を極めていきたい」

といった考えの方もおられると思います。

私はそれが良い・悪いとジャッジしたい訳ではなく、あくまで、歯科業界を魅力ある業界にするため、業界のスタンダードを引き上げるには?という視点で話をしているということ、ご理解ください。

そして、ここからは、
「なぜ予防型歯科医院を目指す必要があるのか?」

治療中心の歯科医院と、予防中心の歯科医院との比較から、私なりの考えをお伝えしたいと思います。

世間から見るとどちらも同じ歯医者さんですが、
経営的な側面から見ると両者には大きな違いがあります。

では、何がどう違うのか?

・患者層の違い
・スタッフの役割の違い
・収益構造の違い
・(未来への)永続性の違い

これら4つの視点で違いを解説していきますが、その前に一点だけ。

予防云々の話をすると、一部の方から

「保険は疾患がある場合のみ適用され、病気ではない
健康な人への予防行為の保険適用は違法
(自費でやるべき)である」

との指摘を頂くことがありますが、これについて私も全く異論はありません。

本来、保険適用の処置を“予防”と呼んではいけないことは重々承知の上で、ここでは、ドクターが行う“治療”に相対する“歯科衛生士が行える処置”(歯周病の維持管理として保険のSPT、SPT2、健康な人は自費メンテナンスなど)の総称として“予防”という表現を使用している旨、ご了承願います。

それでは、早速話を進めていきます。

●その1.患者層の違い

治療型の場合、来院する患者さんは(歯がいたい、しみる、詰め物が取れたなど)何らかの疾患や問題を抱えた状態で来院します。

苦痛やトラブルを何とかして欲しいために仕方なく来院する訳ですから、完全に受け身です。
トラブルを抱えた状態では心の余裕もなくなります。

待合室で待たされることにイライラしたり、診療中も肩に力が入っていたり、痛くされないか不安もつきまといます。
医院側のちょっとした粗相がクレームに繋がり易く、
よって細心の配慮が求められます。正直、気疲れします。

また、患者さんは“苦痛から開放されること”がゴールなので、「痛くないか?」「早く終わらないか」ばかりに意識が向き、医院側の説明にじっくり耳を傾ける余裕もありません。

これが、後になって「言った(聞いた)・言ってない(聞いてない)」のトラブルに発展することもあります。
これってホント不毛な時間なんですよね・・・

一方、予防型の患者さんは、
今特に苦痛や問題を抱えている訳ではないが、悪くならない、今の状態を維持するために来院している。つまり自発的に来院しています。

ですから気持ちに余裕があります。

待合室で多少待たされても苛立つことも無く本でも読み(スマホを見)ながら待つことができるし、痛みを伴う処置はほぼ無いため、診療中もリラックスした状態でいられます。

医院側の説明に耳を傾ける余裕もでてきますし、スタッフとの会話中の笑顔も自然と増えます。

当然、スタッフ側の気苦労も治療の患者と比べて格段に少なくて済みます。

すると自然と院内の雰囲気も良くなります。

極端な話、1日の来院患者が40人として、痛く辛いから仕方なく来ている患者さん40人の医院と、悪くならないため前向きに通う人が40人の医院。

院内の雰囲気はかなり違うと思いませんか?

●その2.スタッフの役割の違い

治療型の医院のゴールは、治す(直す)こと。

診療行為は院長(ドクター)が行うため、あくまでも院長(ドクター)が主役です。

スタッフに求められるのは、いかにドクターのサポートをするか?決められたことや指示されたことをこなすことが存在意義です。

治療が終わっても患者から感謝されるのはドクターであって、自分(スタッフ)はずっと脇役。

そんな環境で3年もすればマンネリが始まります。

前向きで自発的なスタッフほど、変化もない、やりがいもない仕事内容に飽きて転職してしまい、逆に指示待ち受け身のスタッフは居座る傾向にあります。

また、日々の業務には素早さや手際の良さが求められますから、若いうちはよくても「歳を重ねてもやっていけるかしら?」との不安もつきまといます。(そんなこと微塵も感じない図々しいスタッフも多々いますが…)

古参スタッフは(おそらく無意識でしょうけど)自分の居場所が後輩に脅かされないよう、若手スタッフをいびるケースも少なくありません。

一方、予防型はスタッフが主役になれます。

予防型医院のゴールは、患者さんの行動(習慣)の変容を促すことです。

そのためには衛生士が行う予防(やホワイトニングなどの審美)処置はもちろんですが、来院者への積極的なコミュニケーションや啓蒙が不可欠です。

初診カウンセリングや自費の案内、院内セミナーやイベント開催などは資格のないスタッフでも充分に担うことができます。

コミュニケーションの場面が増えると、自然と患者さんから直接感謝されることが増えます。

これはスタッフのやりがいや使命感に繋がり、成長意欲や医院への帰属意識を促します。

すると、採用時の面接やミーティングの司会進行、ホームページ(ブログ)更新や資料作成など、今まで院長が担っていた、診療とは直接関係の無い業務を任せられるようにもなります。

また、『信頼=対話の質×量×頻度』なので、スタッフと患者さんが繋がる場が増えるほど患者さんの医院に対する信頼も高まります。

●その3.収益構造の違い

治療型の医院は、その多くは院長(ドクター)がほとんどの売上を上げ、それを他スタッフに(給与等で)分配する形です。

これを分かり易く説明するため、一般的な歯科医院の指標として粗利率80%、労働分配率60%と仮定し具体的に数字を出してみます。
※算出式には登場しませんが、その他固定比率30%、利益率10%とします)

<比率の解説>
・粗利率=売上から変動費(材料費や技工料など)
を引いた粗利益の割合
・労働分配率=粗利に占める人件費(院長含む)の割合
・その他固定費率=粗利に占める人件費以外の
固定費(テナント料、備品、水道光熱費など)の割合
・利益率=粗利に占める利益の割合

仮にドクターの時給を5,000円、そこに助手と受付の時給1,000円を加味した場合、診療1時間あたりに必要な人件費総額は7,000円となります。

労働分配率60%ですから、その人件費を賄うに必要な粗利は7,000円÷60%で11,667円。

粗利率80%ですから、必要な売上を算出すると、
11,667円÷80%で14,584円となります。

しかし、これは1時間に確実にこの売上が確保できることが前提の話です。実際にはアポ枠が埋まらない、キャンセルが出ることもあるでしょう。

その点を考慮し、ユニット稼働率80%とすると、
14,584円÷80%、つまり1時間当たり必要な
正味の売上は18,230円になります。

上記はあくまで概算ですが、総じて言えるのは治療型の医院が収益を維持するためには、

・多くの患者を診る
・単価を上げる(自費診療を増やす)

のどちらかが不可欠となります。

多くの患者を診るにはスピードが命ですし、自費診療を増やすにも一朝一夕にはできません。
勤務医であればまだそこに特化できるでしょうけど、経営者でもある院長先生がこの状態だとかなり疲弊します。

若いうちは良いとしても、歳を重ねてきた後もずっとこの状態で治療をし続けるのは厳しいのが実情ではないでしょうか。

また、経営安定性の面でも不安がつきまといます。

なぜなら、一旦、治療を終えた患者が次にいつ治療が必要になるのか?を予測することは非常に困難だからです。

よって、マーケティング活動に力を入れ、常に治療患者を集め続けなければなりません。

更に言うと、稼ぎ頭(多くの場合、院長)がもし怪我や病気など何らかのトラブルで診療ができなくなると即、医院の死活問題につながってしまいます。

院長自身がそれを分かった上で、それでも治療中心の医院にしたいのなら構いませんが、正直この状態では働き手にとって魅力的な職場とはいえないでしょう。

実際、院長が50代後半~60代になり後継者もいない医院では、

「院長は何歳まで診療をするつもりだろうか?」
「それによっては転職も考えといけない」
と心配するスタッフの声が挙がってきますから。

では、予防型はどうなのでしょうか?
収益の話で、よく治療中心の医院(院長)から、「予防はもうからない」と言われることがありますが、果たして本当でしょうか?

ここでは、治療型の説明時に使用した粗利率80%、労働分配率60%という指標を用い、予防行為の代表例としてSPT2(830点)の処置を考えてみます。

※SPT2は予防行為ではありませんが、前述の通り
便宜上そのような表現にしています。

まずSPT2などの予防行為には技工料はかからず、材料費も極めて少量で済みます。よって変動費を差し引いた粗利率は95%ほど見込めます。

そうだとしても、もし院長(歯科医師)が1時間かけてSPT2をした場合、とても利益は見込めないでしょう。

ですが、衛生士が担うとどうでしょうか?

衛生士の時給は地域にもよりますが、相場は1,200円~1,500円、賞与など年間給与を考慮しても2,000円程度ではないでしょうか。

衛生士は単独で開業できませんから、医院には必ずドクターがいます。

受付や助手の人件費はドクター診療分でカバーしたとすると、時給2,000円の衛生士に必要な粗利は2,000円÷60%=3,333円。

治療型の説明時と同じくユニット稼働率を80%とした場合、3,333円÷80%=4,166円。

一方、SPT2による粗利は、
8,300円×粗利率95%=7,885円。

つまり7,885円と4,166円の差額、
3,719円の余剰が生まれます。

この余剰を、ドクターの診療では吸収しきれ無かった(受付や助手の人件費や、その他固定費)をカバーしたり、機材の調達や、スタッフの定着を促進するような環境整備に投じることができるのです。

もう一つ重要な点として、予防は“悪くならないために通う”ので、治療患者と違って次回来院のタイミングが読めます。

1カ月後、3ヶ月後、6ヶ月後など先の予約を事前に取ることで先々の見込み患者数(売上額)が読める。

つまり、治療型がフロー型ビジネス
(1回の取引でお客との関係が一旦終わる)なのに対して、

予防型はストック型ビジネス
(1度お客との取引が始まると継続的に関係が続く)なのです。
これは経営上、非常にプラスに働きます。

というか、歯科だけでなくどこの業界も、ストック型ビジネスを獲得するのに必死です。ポイントカードやリピート特典などを導入するのもそのためですからね。

更には、『その1.患者層の違い』でも説明した通り、予防患者は自発的に来院している健康意識が高い人達で、

かつ、『その2.スタッフの役割の違い』でも触れましたが、患者さんの医院への信頼が高い(ドクターだけでなくスタッフとも繋がっている)ため、きちんと説明をすれば自然と自費を選択する割合が増えていきます。

私のクライアント先でも、予防患者が増えるほどそれにつられて自費が増えていき、予防管理型歯科医院といいつつ自費率は平均で30~45%です。

つまり、結果としてドクターの出番も増え、その治療が終わると再び予防で継続来院をするという好循環が生まれるのです。

●その4.(未来への)永続性の違い

最後に、永続性の違いです。

治療型の医院が発展するためには、常に治療が必要な人、つまり病気(疾患)な人が必要となります。

例えば義歯(入れ歯)やインプラント治療は原則として歯を失った人が受ける治療であり、歯が無い人がいてこそ必要性(ニーズ)が生まれる訳です。

逆に言うと、歯を失う人や歯が健康が少なくなるほどせっかくの技術を発揮する場面が減ります。当然、売上は下がっていきます。

余談ですが、数年前、実家に帰省した際、父が同じ町内に昔からある歯医者に憤慨していたので理由を聞いてみました。

その医院、父の仲間内では「あの歯医者はすぐ歯を抜こうとする」という噂が広まっていたのだとか。

そんなある日、町内の集まりにその医院の院長の奥さんが現れ、雑談の中で

「皆さん、最近、うち(歯医者)に通われて
いませんがどうされましたか?」

と話を切り出してきたそうです。

皆、噂のことは知りつつも適当に話をやり過ごしていると、
その奥さんが(ご本人は悪気なく言ったと思われますが)、

「うちも息子達が大学受験を迎え、家計も苦しくなってきて…」

と愚痴を言いだしたらしく、それを聞いた父親が

「ワシらの歯をお前の子供の学費に変えるつもりか!」
と激怒したのだとか(^_^;)

と、少し脇道に逸れましたが、誤解の無きよう付け加えておくと、人のお困りごとを解決するのは素晴らしいことであり、私もインプラントや矯正手術の動画や術前術後の写真を拝見し見事な仕事ぶりに感動したことを今でも覚えています。

ここで言いたいのは、ビジネス的な側面で見ると、お困りごとが無くなった時、存在理由を失ってしまうことと表裏一体だ、ということです。

一方、予防型では、来院者の多くが「悪くならないために」通います。

来院者は通い続けることで健康を維持することができ、医院側はそのお役にたつことで存続し続ける。

まさに win win の関係が築け、どちらにとっても未来は明るいのです。

予防の輪を医院の周囲から地域に広げ、地域の住民が健康維持のためにこぞって通うだけでなにも広告費をかけて遠方の患者を呼ぶ必要などなく存続し続けられます。

試しに、歯科と関係の無い周囲の友人・知人に
「あなたは歯科医院で定期的に口腔ケアを受けてますか?」
と聞いてみてください。

私の周囲は経営者が多い(一定の所得がある)ですが、10人に聞いて、「通っている」と答えた人、たった2人でしたよ・・・

まだまだ認知されていません。

国民に伝わり切れていない、それを伝えていくのが予防管理型歯科の使命ではないでしょうか。

と、色々書きましたが、またまた長くなりましたので今回はこの辺で終えたいと思います。

次は予防型歯科のデメリット、そして私が歯科業界に貢献したい分野などについて述べたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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渥美さんは、ここまで情報をOPENにしています。ありがたいことだと思います。

開業=ゴールではないですよね。簡単じゃないですよ、本当。

並大抵の気持ちでは「開業して成功を収める」ということが難しいことが、渥美さんのブログから伝わると思います。

歯科医院が最短距離でマネジメントを仕組化するブログ (ameblo.jp)

渥美さんのブログで紹介のあった本

デンタルダイヤモンド社 山下剛史

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もう一人紹介します。

大阪で歯科医院経営専門コーチをされている、三方よしビジョン達成サポートの森脇康博さんです。

http://shikauriage.com/

当医院も2019年2月に経営分析を行ってもらいました。森脇さんにお願いした理由は、FACEBOOKの内容が秀逸だからです。文面からは誠実で真面目な感じがします。ブログの内容も開業前の先生にとてもためになります。

森脇康博さんのブログの内容をシェアします

(シェアを許可して頂いています)

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歯科医院を開業する院長に必要な本当の「事業計画」 [2019年07月24日]

歯科医院経営コーチの森脇康博です。

今日から3回は開業をお考えのドクターに向けて書きたいと思います。

1回目は「事業計画」です。

歯科医院を開業する時、金融機関融資の為に「事業計画」を作成されると思います。

しかし、その計画にどれだけの再現性があるのでしょうか?

例えば、新規開業における借り入れ金返済期間は15年~20年程度(運転資金は除く)であり、3500万円を金利2.2%で借り、10年固定で返済する場合には、月々の返済額は約325,000円となります。

これに月々の生活費+諸費用が40万円必要だとすると、税引き後で月に約72万円のキャッシュが残らなければならないのです(再投資資金は除く)。

税金が20%だとすると利益は90万円必要で、営業利益率が25%と仮定すると月々の売上は360万円必要になります。

この売上360万円を収支分岐点売上と言います。何がなんでもこの売上を確保しなければ、生活費を切り詰めるしかなくなるのです(または運転資金を食いつぶす)。

一日に何人患者が来なければいけないのか?

・ホームページや看板
・友人知合い
・地域住民への告知
・内覧会

で初診患者を獲得できる見込みはどれ位あるのか?

初診で来院した患者が満足して家族や友人に口コミする為の「仕組み」は準備できたのか?

ハード面やオペレーションの確認に目が行きがちですが、「患者が満足する仕組み」というソフト面が開業時には重要なのです。

そしてその前に、この収支分岐点売上を確保できる事業計画が存在しなければならない。

しかし実際には売上の確保に繋がらない設備にお金が使われてしまう・・・。

ハッキリ言って丸抱え開業は危険です。
業者さんが危険ということではなく、経営者になるドクターの姿勢に問題があると私は思っています。

長年開業されている院長でさえ経営で苦戦するこの時代に、経営の知識があまりないドクターが開業して成功できる確率はかなり低いのです。

だから開業される先生がどれだけ主体的に動けるかが大切なのです。

「事業計画」にどれだけ根拠を持たせられるか。

歯科医院開業に必要な経営の知識を上手くいっている先輩の歯科医院からどれだけ吸収できるか。

開業してからは思考錯誤できる時間は長くはありません。

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歯科で開業するなら勤務先での実績を自分の実力だと錯覚しない

[2019年07月26日]

歯科医院経営コーチの森脇康博です。

勤務ドクターが開業したり転職する時、時々、自分の力量を見誤ることがあると感じています。

特に、繁盛している医院に勤務していたドクターほど、自分の力量を見誤りやすいのです。

勤務先の患者は院長のマーケティング対策などで集められたものであり、勤務ドクターの力によって集めたものではありません。

手の早さ、自費などの治療技術によって売上額が変わることは確かですが、多くの患者は医院から割りあてられ、それによって売上が決まっているのです。

自分の実績は院長のブランド力とマーケティング力によって得られていることを理解して、その手法を十分に学んだうえで開業したかどうかが重要です。

開業する場合、その院長が新しいブランドを育てていく必要があります。
勤務時代には必要なかった財務やマーケティング、マネジメント能力も問われますので、勤務時代の自信を失う場合もあるのです。

だから、開業前にしっかり準備しておく必要があります。

開業をお考えのドクター向けに3回書いてきましたが、勤務ドクターが開業で成功するにはもっともっと多くの知識が必要です。

開業を考えるなら勤務時代に院長にとって必要な能力を鍛える。

決して、短い準備期間で業者さんに依存した開業はしないでください。

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厳しくも、若い先生が開業するにあたり、愛情のあるブログだと私は思います。ブログを読んで、

「開業は易し、継続は困難」という言葉を思い出しました。

詳しくは森脇康博さんのホームページをご覧になられてください。

歯科医院経営コーチ 森脇康博/歯科の経営に関するお悩みを解決! (shikauriage.com)

 

③勤務医志向の先生

男性も女性も、一生勤務医で過ごす先生は今後増えていきます。国の政策により、歯科医師合格試験は人数制限されているので、歯科医師は今後とても貴重な人材です。都会は多いかもしれませんが、地方は歯科医師不足。

そしてこれからの時代は個人開業は減少し、中規模や大型の医院が増えていきます。昔に比べて、給料や待遇は良くなっています。大切に育ててくれる環境になっていっています。(特に若いDrは少ないので、大事にしてもらえます)

しかしキャリアを重ねることに、

医院にとって必要な人材になる必要があります。

(50歳過ぎて30代と同じ臨床レベルでは、雇用主の理事長は頭が痛いです。)

一生涯勤務医と決めている先生は、就職先は大規模医院や複数展開をしている医療法人を検討すると良いと思います。

女性の先生は、複数の選択肢があります

女性の先生

男性と女性の場合は、根本的に違います

男性歯科医師は

「歯医者の仕事ができれば、少なくとも世間からは認められる」

「結婚しても、奥さんを専業主婦に専念できるほど稼ぐことができる」

女性歯科医師は

「30歳前後に結婚・出産が人生のライフステージにある」

「男性に比べ、家事育児の負担が学びの機会を圧迫する」

男性は開業医、勤務医に関わらず、「お金を稼ぐ力」が何より必要です。

そのために、男性Drは技術の研修に力をいれると私は思うのです。

インプラント、矯正、自費診療など、自分の腕を上げることに興味があり、

そのような研修をさせてくれる医院で就職する傾向にあります。

男性歯科医師が結婚相談所で、相変わらず人気なのは、他の職種に比べ稼いでいるからです。

40歳くらいまでは、相手をたくさん選ぶことができます。

ちなみに女性歯科医師が結婚相談所でお相手を見つけられるのは30代前半までだそうです。

自分と同じ生活レベルを求める傾向が本人も親御さんにもあるようです。

(近い親戚がこの仕事で生計を立てているのでリアルな情報を教えてもらっています)

 

女性の先生は一般的に多いケースですが

同業と結婚される方が多いです。

他業種の方と結婚され、パートナーが転勤したら、基本的には女性が男性についていきます。

出産したら、基本的にはいったん仕事を辞める人が多いです

ここからのキャリアに女性Drの難しさがあるように感じます。

その理由は

私は結婚・出産までの3~5年間くらいの間で、

歯科治療がきちんと基礎的なことができていないと復職のハードルがとても高いと感じているのです。

重要なことなので、もう一度

女性の先生は30歳までに、基礎的なことがきちんとできるようになる

ことを念頭に置いて、就職先を選んでいただきたいのです。

私が見てきた知人の先生や同級生を見た限りの情報ではありますが、

産後のキャリアはそのまま歯科医師をしていない女性の先生も見えます。

また旦那さんの医院の受付・アシスタントをしている先生もいます。

旦那様が医者や歯医者の先生は「セレブな生活」、つまり専業主婦をしていることもあります。(否定はしていませんよ)

もちろん一人で開業している男勝りな先生もいます。

旦那様がサラリーマンの先生は、現場に戻る先生が多いと感じます。

現場に戻れる、「また戻ってきてね」と言ってもらえる力を身につける必要があります。リミットは卒後5年以内と私は考えています。

お二人とも歯科医師でご夫婦で開業される場合は、仕事の役割分担をされている医院さんが多いです。男性Drがインプラント、口腔外科。女性Drが小児や矯正を担当します。歯科医院は女性が多い職場なので、夫婦経営で成功している医院さんが私の周りでは多いです。当医院では私(院長)と妻(副院長)でお互いに助け合いながら、医院経営をしています。

女性の先生は、最初の3年間がとても大切です。アシスタントや衛生士さん代わりにしている医院があるとよく耳にします。

きちんと、治療をさせてくれる環境か、また研修システムが整っているかを確認して就職することをお勧めします。高い給料や休みの多さだけで勤務先を選ぶのは、絶対にやめてほしいです。

 

私の結論

実家が開業に経済的に援助してくれる人、コミュニケーションができる人は開業に向いています。

商才にたけた人は開業だけでなく、大型化、分院展開に目を向けていくことも可能です。

実家の援助が期待できず、かつコミュニケーションに自信がない先生は勤務医が向いています。

特にコミュニケーションがあまり得意でない先生の開業は、おススメしません。

国公立大学、私立大学、大学院卒など学歴はまったく関係ありません。

無計画な人は経営者にいいように搾取されます。無知はコストです。

もちろん技術や腕がなければ、歯科医師としてダメです。

厳しいことを書きますが

先生が勤務先で、治療技術や接遇態度などがスタッフや同僚から認められていなければ

開業してもまず成功しません。

スタッフさんが先生の治療技術を信頼していれば、自分や家族、友人の治療をお願いしてくるはず。

スタッフさんだって、治療が出来て、人間性がまともな先生とは、良い関係でいたいと考えますよね。

また勤務医時代にスタッフさんとの関係がうまくできない先生は、開業には向きません。

開業したら、スタッフさんとうまく関係性を保てなかったら、医院はつぶれます。

大切なことなのでもう一度。

勤務医の間に腕を上げて、人間力を磨く。

 

女性歯科医師は、人生を計画的に考えておく。子供が欲しい人は早く生む

私と妻は4人の子どもをもうけています。30歳、32歳、34歳、36歳の時です。

年をとればとるほど、子育ては体力的にしんどくなります。これは女性は当然ですが、男性でも同じことが言えます。

子供を寝かしつけてから、また起きてきて、残っている家事や仕事に戻る大変さは、私だけでなく、経験者は全員が納得することと思います。

何度寝落ちして、妻に起こされたり、深夜に後悔したことか(笑)

男性歯科医師も女性歯科医師も、可能なら有免許者をパートナーに選ぶと、同じ悩みが共有できて良いですよ、おススメします。私の周りでは経営が上手くいくことが多いです。

長文を最後までお読みいただき感謝します。個人的な思いと偏見があり、失礼な面があったと思います。気に障ることがあればお許しください。先生方のこれからの成功を心よりお祈り申し上げます。

何かあれば遠慮なく相談してくださいね。先生の苦労話を聞かせてください。

 

〇最後までお読み頂いた先生へ〇

月刊デンタルダイヤモンド2019年9月号に

 

「義父から医院継承をするポイント」というタイトルで寄稿しています。

私と知り合いの先生は、自分で購入してください(笑)

2019年12月号にアポロニア21に杉元信代先生との対談が掲載されました。

今後は月刊デンタルダイアモンドさんに2020年9月号・10月号・11月号に増築の特集の依頼を頂き

寄稿しました。

読んでみてください。

よろしくお願い致します。

2020年12月にヨシダさんから

ネクストビジョンのセミナーを開催させて頂きました。

2020年12月5日、19日に

終身雇用医院を作るマネジメントセミナーを開催しました。

セミナーの一部を記載します。

2020年に終身雇用医院を作るマネジメントセミナーを
2回にわけて開催しました。
第1回 終身雇用を実現するマネジメントシステムセミナー
第2回 オンライン院内見学会
ホワイト歯科医院化計画
をお話しさせて頂きました。
参加していただいた延べ105名の先生方には、感謝しかありません。
ありがとうございます。
今回私が、セミナーをさせて頂き、
そこで気づきをあったことを書かせてください。
(一部セミナー資料を改編しています)
キーワードは「終身雇用」と「ホワイト歯科医院計画化」です。
〇終身雇用医院を作る
•スタッフさんが自らここでずっと定年まで勤めたくなるような環境を作る(ハード面、ソフト面)
•診療時間を早く終わる(19時→18時)
•安心・安全でいじめのない前向きな職場つくりをする
働き方を柔軟に対応する(5つのカテゴリーの働き方の提案)
〇ホワイト歯科医院計画の実践
•勤続報奨金システム作成
•セミナー参加費用負担制度の基準作成
•賞与の基準化と人事評価制度、物販分配制度
•昇給基準と退職金制度の明文化
•マネージャー面談・賞与時の院長面談
•幹部ミーティングの実施
(毎週月曜日11時45分から30分間診療時間内)
•組織図の作成
キャリアパスプラン(年収予想プラン)
〇まとめ
当医院は人口過疎化が他地域より進んでいます。
そして今後も加速して人口減少になります。
日本の中でも、特に郊外で開業している先生方の医院環境や周りが当医院の感じに今後似ていくのだと思います。
(当医院の環境は人口が2045年まで0.5%ずつ人口減少していきます。今から20年間で43000人から37000人となり、6000人も減少します。数字は多少誤差あり)
•言い換えれば、郊外で環境が似ている先生方の医院より1歩か2歩先に当医院の環境はある。少し先の未来にあるということになります。
•つまり終身雇用医院やホワイト歯科医院を作るために必要なこと、やるべきことをやらないと生き残れないことだと感じています。
〇終わりに
•当院はこの地域に必要とされる、なくてはならない存在である医院になり、生涯にわたり患者さんの健康を守る歯科医院になる。
•患者さんに還元するスタッフさんが長きに渡り安心、安全、前向きに働いてもらい、力を発揮してもらえる環境を作っていく。
•そのためにハード面もソフト面も、毎年よりよくなっていくように仕組化をする
院長の河内の力だけではなく、スタッフさんの力を借りて、ともにより良い医院作りが出来ればと思い、やってきました。

 

今後のセミナー開催予定。

2021年1月24日

2021年1月30日