お口の中は細菌がいっぱい!

口の中の二大疾病といえば、ムシ歯と歯周病です。

ムシ歯でもないのに歯がグラグラしてきたり、痛みや腫れがおこり、歯科医院で「歯周病が進んでいますよ」と診断され、ドキッとした経験をした人もいるでしょう。歯周病は歯垢に含まれる歯種病菌に感染して、歯を支える骨が破壊される病気です。

歯の病気は口の中の環境の悪さから起こり、歯周病は歯を失う最大の原因となります。

口の中には300種類以上の細菌がいて、手入れの良い人でも500億、普通の人で2000億、手入れの悪い人は1兆個以上の細菌が生きていると言われています。

口の中の細菌

ムシ歯菌は好気性(酸素のあるところで生きている)なので、空気のある歯の表面の歯垢中で繁殖します。

それに対して歯周病菌は嫌気性(酸素のないところで生きている)のため、空気の触れない歯周ポケットの中で繁殖するのが特徴です。歯周病菌は毒性の強い物質を出す悪玉菌が多いので、全身に影響を及ぼすことも報告されています。

虫歯菌と歯周病菌の生きる場所

歯みがきが不十分な口の中では、細菌は12時間ほどで層を作り、歯を覆い始めて歯垢ができます。その後の2~3日で歯垢はより粘着性の強い層となります。

歯の表面は歯ブラシで落ちますが、歯と歯の間や歯と歯肉の境目は歯ブラシもあたりにくいので磨き残しができてしまいます。そうして残った細菌群は唾液中のカルシウムと反応し、歯石という更に落ちにくいかたまりとなります。

若く体が元気で健康な時は免疫力も十分あるので、歯周病菌がいても歯周病は発症しにくいのです。しかし疲労やストレス、不規則な生活が続いたり、年をとると共に体の免疫力が下がっていってしまいます。

そうなると歯周病菌の数が同じであっても、痛みも感じないうちに歯周病が発症してしまいます。

小さな歯周病も早期に治療をはじめ、治療後も定期管理していくことが歯周病予防には大切です。

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