「滅菌は愛である」

院内感染とは器具や設備の滅菌消毒が不十分なため、患者さんや医療従事者に感染症がうつってしまうという大変な問題です。

代表的な感染症にはウィルス性肝炎、HIVなどがあります。病原性をもったウィルスや細菌が滅菌消毒の不十分な器具などを介して患者さんから他の患者さんへ感染してしまうのです。ふき歯科クリニックではそのようなことは決してあってはならないと考えています。

日本の歯科医院の感染予防に対する意識

しかし、日本の歯科医院の感染予防に対する意識はまだまだ低いのが現状です。「歯科における院内感染対策調査報告、2003年 高橋律男」の調査結果では約60%の医院が患者さんごとに手袋を交換していないということです。むし歯を削る道具(タービン、ハンドピース)を患者さんごとに交換、滅菌している医院は14.1%とかなり少ないのが現状です。(ふき歯科クリニックではひとりひとり交換・滅菌しています)

消毒・滅菌をきちんと行うためには、膨大な人件費と経費がかかります。しかもそれは患者さんからいただく保険料金には全く反映されていないのです。しかし感染予防対策は決してお金に代えられないものです。 

国際歯周内科学研究会を作られた生田図南先生は、「滅菌は愛だ」と言われています。

とても共感し、感動したことを今でも覚えています。

この言葉は患者さんだけではなく、歯科医院で働くすべてのスタッフを大事にすることと思います。

生田先生は、滅菌の基本的な考え方として

  1. 自分自身が患者さんであるならば、どういう治療を受けたいかを常に考える
  2. 自分が受けたい治療を実践できる歯科医院を作る
  3. 院長 スタッフ共に患者さんの目線に合わせる

と講演されています。

そのため当院でも安心で安全な治療を提供したいと考え、常に医院を改善・改革しています。

ふき歯科クリニックでは消毒・滅菌専任スタッフが常駐し、最大限に感染予防対策に力を入れています。

また、ふき歯科クリニックでは厚生労働大臣が定める歯科外来診療環境体制加算の施設基準を満たしていると、社会保険事務局から認められています。

これは安心、安全な診療環境を整備している事に対する国の評価です。全国で現在7,800歯科医院が認可されています。全体の約11%です。 残念ながら、まだこの施設基準を満たしている歯科医院は少ないのが現状です。愛知県歯科医師会では2015年2月の段階で3331の歯科医療機関のうち、464件(12.2%)になっています。

院内感染防止対策に取り組んでいる歯科医院の判断基準について

ではどのようにして院内感染防止対策を行っているかを判断すればいいのでしょうか?確実にわかる方法があります。それは歯科外来診療環境体制加算と言う加算点数を算定しているかどうかです。点数は初診時に26点、再診時に4点です。この点数を算定している歯科医院は社会保険事務局に実施内容を書類にまとめて申請し認可を受けています。 

施設基準

    1. 所定の研修を修了した常勤の歯科医師が1名以上配置されていること
    2. 歯科衛生士が1名以上配置されていること
    3. 緊急時の初期対応が可能な医療機器(AED、酸素ボンベ及び酸素マスク、血圧計、パルスオキシメーター)を設置していること
    4. 診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること
    5. 口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や、専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底する等十分な感染症対策を講じていること
    6. 感染症患者に対する歯科診療について、ユニットの確保等を含めた診療体制を常時確保していること
    7. 歯科ユニット毎に歯牙の切削や義歯の調整、歯の被せ物の調整時等に飛散する細かな物質を吸収できるよう、歯科用吸引装置等を設置していること
    8. 歯科診療に係る医療安全管理対策を実施している旨の院内掲示を行っていること

 

  滅菌は言葉で言うのは簡単ですが、実行するにはとても困難なことです。

  これからもスタッフ一同がんばって消毒・滅菌に力をいれていきます。

緊急ニュース

2019年2月号 歯科医師の読む学術雑誌に、

「いますぐ実践したい院内感染対策」という特集がありました。

当医院院長河内の記事

「スタッフとともに作る滅菌システム」が掲載されました。